生成AI会社の売上一覧:消費者向けAIアプリの壁と台頭するAIサービス
Azure, OpenAI, Scale, Harvey, Glean, Vast, Jasper, Runway, HeyGen。
そろそろ生成AIのブームは落ち着いてきているだろうか。
米国の著名VCであるSapphire Venturesが、直近の各AI会社のニュースから売上リストを作成した。
数多のユニコーンがランクインする中、著名どころをピックアップしたい。
https://x.com/tanayj/status/1831104385021300936/photo/1
Azure:$3.9B
LLM大元のOpenAIを差し引いて1位であるAzure。5位にCopilotがランクインしているので、MSにとって生成AIは巨大な売上になっていることが分かる
OpenAI:$3.4B
$1B以上売上を上げているのがMicrosoft, Amazon, Google+OpenAIのみ。まだまだWeb2.0の世界である。
続いて$1B以下の企業群。
Scale:$675M
アノテーションやラベリングのサービス。MS, Meta, OpenAIが顧客と開発者向けだ
ランク入りしているユニコーンであるVast($200M), Perplexity($35M), Cohere($35M)は、開発者向けのサービスである。
開発者向けではないAIサービスは、 Jasper($90M)とGlean($55M).
Jasperは生成AIの初期に台頭した、マーケティングコンテンツ(ブログ、画像、広告テキスト)を生成するAIアプリだ。久しぶりにJasperのサイトを見て、驚くべき変化が発生したことが分かった。調べると、AI copilot for enterprise marketing teamsとある。以前は個人事業主をターゲティングにし誰もが使えるようなPLG型のサービスとして提供されていた。今は、エンタープライズに振り切っている。
サイトもガラッと変わっている。Get a DemoなのでSLGだ。個人向けだと売上が叩かなったのだろうか。Googleに買収されたCharacter.AIが1%の課金率で売上が伸び悩んでいたこともあり、AI向けの消費者アプリは厳しい事がわかる。
ランクに入っているGleanは元Googleが創業した会社で、エンタープライズ向けにRAGを活用した書類FAQとリアルタイム検索を提供している。当然ユニコーンだが、売上が既に$55Mある。今日上場承認が降りたパーソナル人工知能のAI開発会社オルツよりも売上は大きい。
HarveyはVerticalAIの最先端だ。法律事務所向けの特化型AI。ただのリーガルAIでなく、RAGを活用して業界独特のドメイン知識を得た上でリーガル
最近はAIによる動画生成が流行っている。Runway, HeyGen。彼らもCTAとしてはPLG的なGet Startedだが、Jasperのようにチーム向けのサービスにピボットするだろうか。
なお、売上を公開していないHuggin FaceやMidjourneyがランクインしておらず、それぞれの売上ソースも2023〜2024とばらつきがあり網羅的ではない。
それでも今の生成AIブームが実態としてどのように売上を上げているのかの参照になるのは間違いない。